ｉモード版「北へ。」
平成12年5月から始まったｉモード対応のメールゲームで「北へ。」のキャラクターから任意のキャラクターを選択し、メールのやりとりによってドラマを楽しむ。各キャラクターが実在するような感覚を味わえるのも面白いところ。設定は本編の数カ月前となっている。キャラクター１人につき３－５ヶ月。１ヶ月３００円。
スタッフ
企画・柴田真人／企画・ゲームでザイン・横山裕一／プログラム・JAVA太JAVA朗、木村信行／キャラクターデザイン・NOCCHI／シナリオ・ぷるるん／シナリオ・嶋崎賢治、酒井祐介／シナリオプロット嶋崎賢治、川崎ヒロユキ、高山カツヒコ／スペシャルサンクス・菅野ウタロウ／協力・(株)リクルート、北海道じゃらん／ディレクター・志村昌弘、横山裕一／プロデューサー・柴田真人
物語(私の場合のみで全ての人が同じではありません)
「やっほー！！私ゆきちゃんでーす。ヨロシク～」といきなり元気なあいさつで、梢とのメールは始まった。「あなた、ハンドルネームがあるんだって？おしえてほしいなぁ（ウルウル）。やっぱりデジタルの中で生きてる人間は本名よりハンドルの方がしっくりくるんだよねぇ。そういうことだから、よろしくどうぞ～」そんなわけで、こちらのハンドルは勿論いつものを使いました。
好きな異性のタレントはいるかと聞かれたので、声優だよっと答える。「イェ～イ。萌え萌え～」ここは勿論、「豊口めぐみ」。教えたはいいけど、今はエアチェックしたビデオの編集で忙しいんだと。ここで間違って「エアチェックっ何？」と聞いてしまった。本当は何をエアチェックしているか聞きたかったのだけど・・・お陰で「エアチェックを知らないの？ダサダサ～」とか言われてしまう。さて、なんで「ゆきちゃんなのか？」という問いに対して簡単には教えられないという梢。絶対に分からないだろうから、選択肢を五つ用意するからそこから選べと言うが、実はそこに答えはないのだが・・・。
すると、ゆきちゃんがネット初心者の時にメールを読まないで捨ててしまったから「白やぎさん」と呼ばれるようになったけど、それはあんまりだから「ゆきちゃん」にしたと教えてくれる。続いて本名を教えてくれと頼むのだが、知らない方がシゲキが多いからと教えてくれない。本名を知らなければいけない理由でもあるのかと言うので、あんまりしつこいとキレるんではないかと恐れて「もういい」というような返信をすると逆ギレ。
「知りたくないことは最初から聞くな！」と大層ご立腹。話題を変えて、こちらのことを聞いてくる梢。身長とかＨＰとか。なんだよＨＰって・・・って思ったが、とりあえず９９くらいにしておくと、ゆきちゃんは自分が９９９とかいう。ずるいっすね。今度は職業について聞いてくるから、「秘密結社の改造人間」と答えてあげました。だんだんとおちょくり合戦になってきたね。すると「くらえっ」とか攻撃してくるので「ウォオォォ」とかやりかえすと「ひねりなさすぎ」とか言われる。難しいなぁ、もう。
なんか昨日お母さんが服を買ってきてくれたらしいが、気に入らないらしくプンプン。僕は自分で選ぶよと言うと、「服は自分で選ぶものだよねぇ」とようやく意見があう我々。どんな服を着ているのか聞かれたので「ノーマルだよ」と答えて「どこからどこまでかがノーマルなんて人によって違うんじゃない？」と意見してくる。唐突に「50キロを切った」と喜ぶ梢・・・・ダイエットが成功したらしい。こちらの体重を教えると「太りかけじゃない？私と一緒にダイエットしなきゃ」・・・そうだね。ここで、けあふりぃさんが登場。
「肥満は万病の元ですわ」と言ったらしい。尿管結石で一週間ぐらい入院したらしい。また、唐突に可愛い娘を発見とか騒いでいる・・・あれ、これはターニャのことじゃないですか。ああいう物憂げな女の人は男の人は好きなんだろうな、と好みの女性タイプを聞いてくるよ。「元気のある明るい娘の方が好き」と答えると「もしかして、私みたいな娘とか。(/0*)/キャア～」。どんな髪の色が好きかと聞かれて「赤髪」。仕事は怪しい看護婦さんって感じがいいのかと聞かれて「メイド」がいいと答えてしまった。
「従順な女性って感じが好みなのかな？清純ってイメージとかが好きだったりして」と梢は、またしても調子に乗っている。って、オイ。今度はパソコンの話・・・ちなみに私が使ってるのはＧ３／４５０で梢ちゃんと全く同じ機種だよ(^^)v。ハードディスクがとんじゃって、コツコツと作ってきたＭＰ３が全部壊れてしまったと嘆いている。「しばらくはパソコンを触る気にもならないよ～」バックアップはまめに取ろうね。200曲以上が入ってたらしい。一曲取り込むのに5分として1000分。なんて落ち込んでいるかと思えば「ドキドキワクワクがとまりません」というタイトルのメールが入る。もうすぐイベントで露出系のコスプレをすると張り切っている。
「今回コスチューム普段よりも１号小さいサイズで注文しちゃったの。入らなかったらどうしよ～」何のイベントかって聞くと「同人誌のイベントに決まっているじゃなぁい」とくる。「七草のコスプレですか」と返信するけど、「本当はしたかったけど、今回のイベントは格ゲーオンリーイベントだからダメなのよ（涙）ナックルベアー４に出てくる女刑事アリーのコスプレで～す。試着してみたけど、余裕で着れたよ、ダイエットしてよかったぁ～」体重を量ったら47キロだったらしい。「爆やせて激カワイクなったね」って友達に言われてご機嫌だ。
というわけで今度はイベント会場からメールが届く。女刑事アリーのコスプレをやっている人、結構いると思っていたら夕方からアリーのコスプレのコンテストやるらしく、ゆきちゃん焦る。イベント終了後、お目当ての作家さんの本も買えて、コスプレも大好評だったし何も言うことなしっすヨ・・・とメールがはいる。「一番嬉しかったのは、アリーコスプレコンテストで優勝した事（イェ～イ）」おめでとう、梢・・・じゃなかった。ゆきちゃん。
「ありがとう～♪優勝っていっても小さいトロフィーもらっただけなんだけど、うん、スゴク嬉しかったなぁ」またイベントがあるらしい・・コスプレナイト？開催日はゆきちゃんも分かってないらしい。こないだのイベントで一緒にコスプレしていた友達が二ヶ月後に同人誌を出すそうな。でも、その同人誌がほとんどできないらしい。って、同人誌なんて、そんなもんでしょうが。
私も冬コミ出るけど出来てないよ・・コピーだから余裕こいてるだけなんだけど。オフセだったら確かに辛いな・・・って私的なことはおいておいて、ゆきちゃんは、友達のためにたくさんの作家さんを集めることにしました。いきなり同人誌の構成をはじめる。いよいよ「蒼き月の夜」さんが登場。ネット始めた頃に知り合った人で、パソコンのこととか色々教えてもらったそうだ。絵はそれほど上手じゃないけど、彼の友達が激うまいんだと。その人を紹介してもらうらしい。「蒼き月の夜」と「キャプテントム」というミリタリーショップに行った梢ちゃん。
そこでミリタリーウォッチを買ったとさ。蒼きさんはアメリカ軍放出のサングラスを買ったらしいが、似合わなかったらしい。蒼きさんの友達を入れても、最低あと二人は作家が必要なんだそうだ。どうやって人を集めるか悩んでいる様子。実は梢ちゃんも描くんだと。「描くけど、私編集長だし他の作家さんを探さなきゃいけない義務があるのよね。」と真面目な姿勢である。同人誌に参加してくれる友達を探すべく電話しまくりの彼女。もう３０人以上に電話したらしい。作る本がオリジナルかどうか聞きました。（私がオリジナル系なので）
「でもでもオリジナルは難易度高スギ、やっぱ知名度がある程度ないと作っても売れないのよねぇ。」とするどいことを言う。とというか、私自身が売れなくてオリジナルを挫折しましたので、この台詞は胸に響きました。唐突に「七草忍者隊」のソーセージプレゼントキャンペーンがはじまったと騒いでいる。プレゼントは「セリ様マスコット付きケータイ電話用ネックホルダー」。着信するとしゃべって教えてくれるものだそうだ。２0箱も買って応募しているゆきちゃんでした。「やるなオスシ」という返事をだす。「あははは、くだらなすぎてオモシローイ」と受ける。
「こんなくだらないギャグ好き？」好きっす「私もくだらないギャグは結構好き。でも、しんどい時に聞くとうっとうしいのよね。もしかして私ってワガママ？（ベシッ）」今頃気がつくなぁ～。同人誌のメンバーも、あれから３人も決まったと。でも、まだ集まりそうな雰囲気らしい。集まり過ぎちゃったらどうしよう？とか。５人くらいですか？「うん、そうよね。5人は確実に来てくれそう。目標は７人ということにしておきまーすエヘヘ」・・・結局7人集まったらしい。
明日の午後、第一回目の会議があるらしい。ところで、コスプレイベントですが、開催が５日後らしい。エントリーは今日まで。コスプレの衣装に悩むゆきちゃん。・・・通販は？「通販は多分間に合わないよ、それに今回は自作で行くって決めてたんだもん。私に同人誌の執筆を頼んだ友達がいたじゃない。あの娘裁縫がうまいから、今から会って頼むつもり」オレも忘れていたけど、そうそう「忘れてた！今日は同人誌に参加してくれる作家さんとの会議だったのよね」
でした。友達はあと４日じゃ完全オリジナルコスチューム一着作るのは厳しいらしい。レオタードかい。「はっずれ～」「ピドゥで買ったのはジーパン・トレーナー・エプロンでーす。これをやぶいて保母さんのコスチュームにするの。流行でしょ保母さんの出てくる格ゲーって」・・はい？「ストリート・ファイター」とでも答えておくか。うう・・・メールフレンドを二人まで選べるのは嬉しいけど、メールの記録は難しくなってきた。突然ゆきちゃんはメールができなくなるけど、代わりの女の子を紹介するという。
なんだよ、それって。しばらくメールを続けてやるかとか思っていたけど、知り合いにしては内容がおかしい。ゆきちゃんじゃなきゃ知っているはずのない話題だ。やっぱり、ゆきちゃんじゃねーの！？なんで騙すんだよ--#。激怒。謝ってるけど許さない。「でも、好みの女の子だったでしょ？」そういう問題じゃないでしょうが。ゆきちゃんはウェイトレスのアルバイトをしてるらしい。「バイトってだるいよぉ～」とか言ってる。私は建築現場でバイトしていたけど、楽しかったです。「理解不能ぉ～」そう。「カワイイ制服に似合う時計もブレスレットも店長から外せって言われたの。」とむかついてる。始まったよ、ゆきちゃんさんのわがままが。
「社内恋愛どうよ」なんかバイト先で社内恋愛している人達がいて、「私的にはどうかと思うんだけどなぁ」だそうだ。確かにね・・・。「それでさ、男は社員、女はバイトの子なんだよ。ちょっと犯罪チックだよね。」うむうむ。同感である。バイト先の人達も気がついていてイヤーな感じしてたんだって。店長だけは気がついてなかったらしい。などと言っていると「今日から仕事来なくていいから」と言われたらしい。「酷くない？イキナリクビってさ！イイモーン、あんなところ、こっちから辞めてやろうと思ったんだから！」これはびっくり。可哀想だね・・・。
「ゆきちゃんを慰めてくれて、ありがとうですぅ平～（感謝）」なんか、ゆきちゃんのメールが今のところ四人の中じゃ、一番面白いかも。頑張れよ、パソコンショップでバイトとかしてみなよ。「それ結構いいかも。でも、時間長そうだし、高校生不可かもね。」高校生だったの。それはともかく、インターネットで探してみたら？「そうだよねぇ、こんな時のためのインターネット！思ったよりも結構あってビックリしたよ。これならある程度ワガママ言っても見つかるかもしれないなぁ」そんなに甘くないとは思うが。何？ＤＭ？ダイレクトメールのことだよ。
早速、面接ですか。「そうそうそう、ＤＭって平のいうとおりダイレクトメールだったんだね。面接で恥かかないで済みました。」受かるといいねぇ。「早くバイト採用の電話かかってこないかなぁ。」それよりも電波圏外には気をつけないとダメだぞ。せっかくの通知がきても分からないから。「オッス！十分気をつけまっす！」「まだこないぃ～」あ、クリスマスじゃん。「メリークリスマス、平！どんなクリスマスを過ごしてるのかな？」「あれから家にも携帯にも全然連絡ありませーん。なんでよぉ・・流石の私もなんか自信なくなってきたなぁ・・・。」
「面接先から電話があった。ダメだって・・・信じらんない。なんで落とされたか私全然わかんない。電話で理由聞いても詳しい説明してくれないしさ。どうしてこんな悔しい気持ち味あわなきゃいけないわけよ！あぁ～もういい、バイトなんてもう絶対しない！」今回は運が悪かっただけだって。「でもさ、考えてみたら最近バイトに時間取られて編集長の仕事してないっちゅーの。これって本末転倒だよね。大体さ、私貯金たくさんあるし、お小遣いも毎日使い切れないぐらい貰ってるんだから別にお金に困ってるわけじゃないのね。」
金持ちって感じぃ～。やけ食いっすか。「昨日はあれからすぐ車とばさせて、ケーキ大量にやけ食いしてきたわっ！とりあえずケーキ！とにかくダイエットの事とか全部忘れてケーキ！甘いものバンザ～イ。ちなみに私が行ったのは「ププリエ」ってお店で～す。」ふーん・・お薦めは何さ。「どれでもおいしいんだけど、一番のオススメはチョコレートケーキ！あと、バナナとナッツのチョコレートタルト、これも最高よーん♪」
いやいや、すっきりしたんなら、それでよかったんでないかい。で、どんなお店なの。「フランス洋菓子の専門店なの」なるほど中には喫茶店かぁ。いいですね。「サークル名決まりました！「ゆきちゃん＆仲間」でぇ～す。うんうんいい感じですよ（涙）。」蒼き月の夜の知り合いの激上手い人が入ってくれたのかい。プロ並みに上手なんだと。かっこいい人なのかも。「彼、ハル2001さんって言うの。ルックスは正直言って「ブー」です。性格もちょっち暗いし、まぁ世間一般的に言う典型的なオタクって感じかな？私みたいな明るく開放的でオシャレなネオオタクではないです。」
なんだそりゃ。それよりさ漫画はどうなった。「担当ページは１６ページなんだけどね。えへへへ、実はまだどうしようか決めてません（汗汗）。でもその他はばっちり決定。ページ数は９６ページ、表紙はフルカラー、値段は2000円。発行部数は1000部、結構無謀（笑）。でも売れるっしょ。」・・・・まじかい。おや、雑誌に載ったんですか。「この間スカウトされたって言ったじゃない。あのとき撮られた写真が雑誌に載ったのだぁ！「街で原石を探せ！」ってコーナー。」
評判良かったら専属モデルになれるかも・・・と一人でアンケート葉書書こうとしている梢ちゃん・・・いえ、ゆきちゃんさん。同人誌に君の写真を載せてみたら？「確かにオイシイ考えだけど、どうかな？やっぱ今作っている同人誌はみんなの物だしさぁ、そこまで私物化したらダメでしょう。」ゆきちゃんのくせに真面目なこと言うない。「じゃーん！ついにこの日がやってきたのです！ついに本日公開、私のプライヴェイトＨＰ！ほらほら平も祝って祝って！」いや、まじにこういう娘いるよなぁ。おめでとう！「はっぴーにゅーいやぁ～平！！ゆきちゃんだよ！とうとう来ちゃいました二十一世紀！！」
やべぇ！この部分は、１００年に一度・・・じゃないぞ、一回しか使われない部分じゃないか！他のキャラはどう祝ってくれたんだ～・・・はぁ。「しっかしさ、恐怖の大王も結局来ないで気づけば激烈に2001年だよね。記念すべき2001年・初詣のおみくじは「中吉」だったよ。なんか中途半端（笑）平はおみくじどうだった？」・・・おみくじどころか、未だに初詣にもいってねーよ（1/16現在）。「開設してから一日しか経ってないけど、もうカウンター50越えちゃった！」コスプレ写真がメイン？うぉ～見てぇ～・・あとは日記と掲示板。ふぅーん・・って、ネットアイドルなんかを目指していたの？やるな。掲示板をi-mode対応にね・・・。とにかく元気なゆきちゃんは、ＨＰの構想もいっぱいありそうだ。
「聞いて！私のホームページだけど、もうカウンター1000越えちゃいました！なーんか激人気っ感じ」くっそ～何かしてない？「別に特に何もしてないよ。ホームページが激人気なのはそれだけ友達が多いって事だって。ねぇ、もしかして平私に嫉妬してるんじゃない？だからさ、そういう意地悪な感じの台詞が出てくるんだと思うよ。」・・・すみません、確かに嫉妬してました。だってさ～(T.T)。くっそーオレも「あの手」で必ずやカウンター回してやる。でも、とにかくごめんな、ゆきちゃんさん。「正直だね。羨ましいな、なんて。あはは、まいいか♪そうそう、そんな言ってる間に、もうカウンター2000越えちゃった！」
・・・ふぅ。何が１0万アクセスだ。さて、同人誌の話題に戻って各作家のページ割りが完璧に決定したという。自分のページは１０Ｐらしい。まだな～んにも手をつけてないけどね。」やばい、おれも1/24に締め切りがあるんだった。まだペン入れしてない！ゆきちゃんも描くのかい。「そうでーす！やっぱマンガの同人誌作るんだからマンガ描かないとね！」しかし、ちょっと描けるかどうか心配らしい。そろそろ書き始めるという。そうした方がいいですよ。「ストーリーどころかネタとかも全然決まってませ～ん。おいおい、それで良いのかゆきちゃんっ感じ（激汗）」大丈夫か。っつーかエッチな奴描いてよ。
「は？エッチなのなんて描きませんったら！今回はそういう路線やらないって会議で決めたんだから！でもソフトなら、なんてダメだったら！＞私（ビシッ！）」余裕やな～。なんか本の見積もりをとったら思ったよりも安くできるようなので、装丁でも凝ったら、とアドバイスすると「ハロー書店」という本を探してきた。「早速印刷屋さんに聞くべし＆交渉すべしだよねぇ～っと。」と張り切っている様子だ。今から間に合うのかな・・・「大丈夫だって、心配するな平（笑）それで印刷屋さんに見積もりだしてもらったんだけど、ちょっち予算オーバーだったのよね。でも、許容範囲ってところだったし注文することにしたよ。うーん、できあがりが楽しみ、きっといい物になるね♪♪」と上機嫌・・・それも長続きしない。
「昨日ホームページ上の掲示板荒らされちゃって大変（怒）。」しばらくピークは見張らなきゃいけないかな・・とテンションダウン。「げろげロマン２号」とかいうハンドルの人が手当たり次第にケンカを吹っかけているらしい。「どうしてなのよホント！」と怒り狂うゆきちゃん。相手にすると調子乗るよ。「やっぱ放っておくのがいいのかな・・・。でもさ、どうして私のホームページが荒されなきゃならないのよ、ホント！」誰かに相談した方がいいでしょうね。
「平の言うとおり、ダメ元でインターネットに詳しい人に相談したら・・・ナナナナナント！私の使っている掲示板システムって、掲示板荒らし対策用の機能がついてたんだって。こんな事ならもっと早く聞いとけば良かったナリ～。」よかったではないですか。「今日、同人誌の第一次締め切り日なんだけど、原稿１本しかあがってないの（涙）最終締め切りまではまだ余裕あるけど、もしかしてこれってかなりヤバげな状態だよね・・・。正直言って不安・・・明日の朝までに何本あがってくるかな。」そういわないで作家さんを信じて待ってみなよ。
「結局ダメ。作家さんを信じて朝まで待ったけれども、できたってメールが来たのは２人だけ・・・。まだ最終締め切りまで時間あるから大丈夫だけどさ、この状況のまま放っておくのはマズすぎるよね。」緊急招集をかけた彼女。がんばりたまえ。「正直言っちゃうと諦めようかなって気持ちもあるんだよね。でも今更『やーめた』なんて言えないでしょ。ホント、なんでこんな事になっちゃったんだろう。大体全部倉木ちゃんが悪い、そうアイツがぜーんぶ悪いんだってば！」はじまったよ。違うって、みんなが悪いんだって。
「そうだよね。もなにが悪いんだよね（涙）。今日だってもうとっくに集合時間過ぎてるけど作家さんが２人来てないし（爆涙）う～嫌な予感がするよ～」「昨日は集まりが悪くてヒヤヒヤしたけれど、なんとか全員集まって無事会議ができました。みんな最後まで頑張ってくれるって言ってくれたけど、はっきり言ってそれだけじゃちょっと辛いかな。どうしたらいいんだろ・・・。」合宿なんてどうですか。「そうだね、もうここまで来たら私の家に作家さんを集めて合宿するしかないか・・・。あ、話し全然変わるけど、七草忍者隊ソーセージのプレゼントが当たったの！しかも２つも（キャアー！！）最近辛いことが続いたけれど、これを機に少しは運が向いてきそうな感じ！期待しちゃいます。」
うむうむ。「私なりに作家さんの管理以外にやらないといけない事をリストアップしたけど、結構多いっす。Ａ．コスプレの衣装Ｂ．ブース装飾の手配Ｃ．イベント当日のスタッフの手配Ｄ．自分の担当ページの完成・・・どこから手をつけたらいいと思う？」スタッフの手配じゃないですか。何しろ売り子を急に頼むわけにはいかないからね。「うーん、でも何人ぐらい必要だろうね？全然見当もつきません（オイオイ）」
３人もいれば十分でしょう。「うーん、３人もいるかな？まぁ、でも大は小を兼ねるって言うし、別に多くても困らないもんね。これでリストは１つ減ったと・・・この調子でいけば十分間に合いそう。次は何しよう」余裕ぶっこくなって！自分のページを書いてないだろうが。「やっぱそうだよね。次は自分の担当している原稿を仕上げなきゃどうするって感じだもん。ちゅーわけで、しばらくメールの返事遅くなりまくると思うけど、許してね～（ウルウル）♪」頑張るんだ、ゆきちゃんオレがついてるぞ。
「現状報告だけど、かなりキテマス！栄養ドリンク飲み過ぎて気分悪い・・・。でも原稿はあとちょっと感じです・・・。今日徹夜したらなんとかなりそうだな・・っていうか何とかします！頑張るぞ～！」大変だな・・・確か高校生のはずなのに徹夜って大丈夫なんだろうかね。まぁいいか。「出来たーーーー！終了、私の原稿は終了！満足はしてないけど今はとにかく自分を褒めてやりたいっす（涙）。今日は寝ます。何があっても起きません・・・ＺＺＺＺ←もう寝てる。」お疲れさまでした。確かに原稿仕上がったときは、スカッとするよ。
「とうとう印刷所の締め切りが明日！あと集まってない原稿は２本！まぁこれは何とかなると思うんだけど、それよりここにきて重大なことが発覚！作家さん達の全部の原稿を足しても、あと５ページ白紙のままなの・・・。あぁ～胃がイタイ～。」これは作家さんに連絡とってみないとね。
「どの人からも、もう辛いから厳しいって言われた。まぁ、現実的に考えたら、イラストでも詩でも何でもいいからとにかく何かでページ埋めなきゃ。情けないけどね・・・。」ここらへんが大変なところだよ。何とか白紙のページは埋まったようだが。何か、最後の一本がまだ来てないそうな。印刷所には午前中に持っていかなきゃ、と焦っているゆきちゃん。大丈夫か・・・ノンブルとか打ってるのかな？
「今印刷所でぇぇっす。聞いて、聞いて、ギリギリセーフ！入稿間に合いましたぁ！お父様、お母様、そして平様、色々ありましたがゆきちゃんはとうとうやりました（爆涙）疲れたぁ～、もう３０時間以上寝てないって（苦笑）やっと寝れる・・・。」ここまでが大変なんですよ。お疲れさまでしたね・・・編集って大変だもんね。
「平おはよ～う、今起きたところぉ。なーんて、もうお昼だけど。今日テニス部のレギュラー選抜試合なんだけど、もう何それ～状態（オイ）もうちょっと寝てから、気晴らしにどこか出かけようっと」あれ？テニス部だったっけ。
「言ってなかったっけ？そうなの、実は私テニス部なんだ。一年のはじめの頃ははそこそこクラブにも顔出してたんだけど、最近練習には殆ど出てなくて、幽霊部員モードに入りまくってるけどね。」テニス上手なの？
「上手くないでーす、っいうかハッキリいって下手。でもいいの、テニス部に入ったのは、大学とか入って「高校でクラブ何やってたの？」なーんてかっこいい人に聞かれたとき「テニス部なの～」って言うのが目的なんだから。」・・・こいつは。
「思えば苦しいこともありました（＞＿＜）そして悲しいこともありました（Ｔ＾Ｔ）前置きはこのぐらいにして（笑）とうとう明日はイベントでぇ～す！この日の為に２ヶ月ずっと頑張ってきたのよね（ウンウン）同人誌完売できるように（目標は初日完売だ！）祈っておいて下さい。」いや、そう言われても。本作りは確かに疲れるね・・。結局昨日は興奮して寝られなかったという彼女。
「さてと、今日は泣いても笑っても本番だね。私の方の準備はもうバッチリ！！あとは同人誌が到着するのを待つだけですっっ！」何とかここまで辿り着きましたか。って、なんだかギリギリだなぁ。
「そうだね、また今度もギリギリ（苦笑）まぁ、あらかじめ印刷所にスタッフを一人派遣しておいたし、製本が終わり次第すぐ持ってきてくれて、１１時の開場にはちゃんと間に合ったんだけどね。結果オーライ、オーライオッケーっすよ（ナンジャソリャ）」自分つっこみはやめろ。それにしても、高校2年生にしてすでにスタッフを派遣するぐらいの権力者ってところがすごい。で、お客さんの反応はどーよ。
「うーん、あんまり言いたくないんだけど、今のところお客さんの反応はヨワヨワでーす。っていうかさ、ハッキリ言って同人誌のデキはイマサンなのよ。まぁなんというか、時間がなかったし、かなり中途半端な原稿もそのままＯＫ出しちゃったし、それに作家さん達打ち合わせ通りに描いてないからもうバラバラ。でも大丈夫、私がコスプレして売り子に立ってるんだからきっと売れるって。だって、この辺りの同人業界では私有名だからね。」あああ、そんなこといって大丈夫か君は。
「イベント１日目終了ですぅ。はぁ、もうやる気ガタガタ。だってさ、売れたの６部だよ。とにかくさ、今日は目立ち度が低かったのよね。この知名度を活かして、今夜友達に「同人誌買ってぇおねが～い」メールを出しまくってと。あと、そうよね、コスチュームの露出を上げて、攻め攻めで行きますか・・・。」あ、いけね。コスチュームの露出上げろって書いたのオレだ(^_^;)。しかし、ゆきちゃんとのメール始めてから、この書き方の影響を受けてて、本当のメールも似た感じになっている（笑）。
「おっはよぉー、平♪今日はイベント最終日、この日に送る私からセージ、それはリベンジ。（オーフルイヨ）見てなさいよ！昨日の晩送ったメールは３５０人！私のＯＴＡＫＵネットワークをなめるなよ！コスプレナイト優勝者のカリスマを見せてくれるゥゥ（キャア～！）」・・・・大丈夫か君は。
「さっき、蒼き月の夜さんとけあふりぃさんが早速来てくれたよ♪蒼き月の夜さんは同人誌のこと、結構厳しく言ってったけど無視無視。けあふりぃさんはなんと２０部もお買いあげ！うれしぃ～（涙）あの人お金持ってるもんねぇ。」
「なーんかおかしいのよね。もうイベント終了まで殆どないのに、同人誌全然減らない・・・・１００部も売れてないんじゃないかな。友達も１０人くらいしか来てないし。ホントおかしいよね、イベント今日までだし。あ、もしかしてメールに間違った事書いちゃったかな？それともみんな、私を驚かせようとしてなんか計画しているのかな？」・・・なんの計画を立てるってゆーの。まぁ、まだ終わるまでに時間あるわけだし。
「バカバカバカ！私って絶対不幸の星の元に生まれてきたんだわっ！っていうか何で同人誌売れない訳よ！私が作って、売ってるんだよ。友達だってヒドイよ！イベントに来てくれるようなメールくれたってさ、結局なんだかんだ理由付けて来てないもん。みんなおかしいよ！バカばっかだって！」バカって何！
「バカばっかりなんだから、バカって言ってどこが悪いのよ。っていうかもうほっといて！今は何を言われてもムカツクの！誰とも喋りたくないの！」・・・やれやれ。
「平、さっきのメールごめんね。言い訳だけど、同人誌全然売れなくて、凄くイラついてて、それであんなヒドイ事をメールに書いちゃったの・・・本当にごめんね。」気にするなよ。
「ありがとう、平。今の私には、本当の友達と呼べるのは平しかいないんだもん。ふぅ・・・良かった許してくれて・・。」
「イベントが終わって、サークルのメンバーに同人誌を配ったんだけど、それがきっかけでみんなケンカになって。そのままゆきちゃん＆仲間は解散って事になっちゃった。同人誌作るのはしんどいだけどイイ事１つもないから、もう二度とやらないって思ったんだけど、今までやってきた事はなんだったんだろうって考え出すと、とても虚しくなっちゃって、それで落ち込んじゃったの。」そういうことってあるよな。
「同人誌を買ったお客さんから手紙が来ちゃった。きっとどうしようもなく面白くなかったからお金を返せって、抗議の手紙に決まってるよ。恐くて風を開けられない・・・。」開けなきゃ！
「恐かったけど、封筒開けてみた。中にはカミソリじゃなくて、便箋が５枚、しかもびっしりと同人誌の感想が書いてあったの。ダメだったところ、良かったところ、面白く読めたところ、寒かったところ・・・色々。読んでたら心の奥から、なにか分からないけど重い気持ちが突き上げてきて、ジーンとして、泣いちゃった。いままであんな気持ちになった事無かったよ。私、なんて恥ずかしい事をしてたんだろう・・・。」
「恥ずかしいと思ったのはね、今まで物を作ったり、自分を表現したりしてきたけど、それは全部自分の為、そう作った事に対する自己満足でしかなかった事に気付いたからなの。同人誌だってそう、私はあの同人誌を作っていて、一度も買う人・読む人のことの事を考えた事なんて無かった・・・。それなのにさ・・・、売れないのは当たり前だよね。」・・・あの、もっと売れない本もあるんですけど。
「どうしよう、あの手紙読んでから心の中が熱い・・・。どうしてこんなに熱くなるの？どうしたらいいワケ？」自分で考えなさい。
「そうか、心の中が熱いのはもう一度物作りにチャレンジしたいって言う気持ちの表れかもしれないね・・。うん、わかった。やってみる！」
「徹夜して感想くれた人へ、何とかこの嬉しく、そして励まされた気持ちを伝えたい。そう思って手紙を書いたけど、ダメだった。うまく文章には書けないの。だから、精一杯の気持ちを込めて、パソコンでグラフィックを書いたんだ。そんなに上手くはないけれど、これが私の精一杯の気持ち。書き終わった後、すごく自分が虚しくなった。だって、私、今までこんなに力と気持ちを込めて作った事が無かったんだもん・・・。」そうか・・・しかし、これが第一歩なんじゃないの？
「平・・・、私自身がなくなっちゃった。突然だけど今日でメール終わりにしてください、お願いします。」・・・どういうこと？
「今までメールを書く時本当の自分、里中梢ではなくて、メールフレンドゆきちゃんを作って演じてた。何故かと言うと、自分を出すのが恐かったから・・・。今まではそれでいいと思っていた、だけど私のことを真剣に考えてくれている平からのメールを読む度に、辛くなっていった。だから最後のお願い、自分に本当の自信がついて、偽り無くメールが送れるようになるまで、その時まで待っていてほしい・・・。」そんなのいやだよ！
「そうだね、最後じゃないよね。私、平のおかげで、物を作ると言う事は目的ではなくて、ただの通過点だって気付く事ができたんだ。作った物は人に見てもらって、そしてその人達にどういう気持ちを持ってもらえるかが大切なんだよね。平に伝えたい気持ち、それが見つかった時、俣メールします。だからそれまで私のこと忘れないで。 里中 梢」
そんな感じで、梢ちゃんとのメールは終わりました。彼女らしい起伏の激しい感情で振り回された感じはしますが、これはこれでよかったかな。同人誌は私もやってるし、彼女の気持ちも分かります。「北へ。」のキャラクターの中でも、彼女ほどズタボロになってしまうキャラはいないし、このメールもそうです。彼女は「北へ。」のキャラの中で唯一リアリティを持った感情で接してくるのです。そのリアリティのために、ギスギスしたところが見えることもありますが、彼女の繊細な感情は常に傷つくことを恐れていて、私達の感情にも「私だって頑張ってるつもりなのに！」と訴えかけてくるのがせつないのです。今、改めて考えてみると、梢シナリオは「文学的」に一番優れていたのかもしれません。