ｉモード版「北へ。」

平成12年5月から始まったｉモード対応のメールゲームで「北へ。」のキャラクターから任意のキャラクターを選択し、メールのやりとりによってドラマを楽しむ。各キャラクターが実在するような感覚を味わえるのも面白いところ。設定は本編の数カ月前となっている。キャラクター１人につき３－５ヶ月。１ヶ月３００円。

スタッフ

企画・柴田真人／企画・ゲームでザイン・横山裕一／プログラム・JAVA太JAVA朗、木村信行／キャラクターデザイン・NOCCHI／シナリオ・ぷるるん／シナリオ・嶋崎賢治、酒井祐介／シナリオプロット嶋崎賢治、川崎ヒロユキ、高山カツヒコ／スペシャルサンクス・菅野ウタロウ／協力・(株)リクルート、北海道じゃらん／ディレクター・志村昌弘、横山裕一／プロデューサー・柴田真人

物語(私の場合のみで全ての人が同じではありません)

「初めまして、平さん！私は『愛田　めぐみ』っていいます。
とうとう、念願のｉ－ＭＯＤＥを手に入れることができました！　今まで、お母さんにケータイ持つの反対されてたんです。でも、なんとか説得して、無事ｉ－ＭＯＤＥを手に入れることができたんだ！まだ、使い方とかよくわかってないけど、がんばってメール書くから、これからよろしくね！」はじめまして、めぐみさん。よろしくね。

「え・・そ、その、私のこと『めぐみさん』って呼んでくれるんだね・・？　ちょっぴりうれしいな・・。あ、何でもない！　こっちの話。ええと、私がどんな人かだよね？　私は・・う～ん。最初に平さんから教えて欲しいなぁ。まずは平さんのことよく知りたいから・・。平さんは何をしている人なの？」会社員です。会社員。

「へぇ、平さんは会社員さんだったんだ？じゃあ、どんなお仕事をしてる人なの？」サラ金業者をしております。融資のことは任せてください。

「へぇ、平さんの仕事はサラ金業者なんだぁ。すごいね、なんだか憧れちゃう。私も色んな仕事をしてみたいなぁ・・。あ、ごめんなさい！　私、これからちょっと用事があるから、今日はこのくらいにしておくね。じゃあね、バイバイ！」なるほど、憧れてくれますか・・・いい人ですね。

「おはよう！　平さん！昨日はごめんね、ちょっと用事ができちゃって・・。
そうそう、平さんってサラ金業者の仕事をしてるんだよね？　でね、いい忘れたんだけど・・実は私、ＯＬなんだ。えーっと・・そうそう、動物園の事務をやってるの！　私、動物が大好きだから・・。ところで、平さんは仕事楽しい？」楽しいなんてもんじゃないですよ！もう毎日の取り立てが最高です。え？ＯＬなんですか。そうですか。

「そっかぁ、サラ金業者の仕事は楽しいんだ？いいよね、楽しい仕事だとやりがいがあるもんね。
で、平さんは仕事してて、どんな楽しいことがあったの？」お客様の泣き顔・・じゃなくて、喜ぶ顔です。

「へぇ、仕事が楽しいのかぁ。なんかうらやましい。私ね、楽しい仕事ができるって、幸せなことだと思うんだ。それが自分の好きなことだったらなおさらだよね。私もそんな風に仕事がしたいなぁ・・。」自分が楽しもうと思えば、何とでもなりますよ。

「うん！　そうだね。自分が楽しもうと思えば楽しめるものだよね！世の中で仕事してる人みんなが、そんな気持ちで働いてくれたら、とっても素敵だろね！　あ～あ、そんな風にならないかなぁ・・。」ならない。

「平さんのこと色々と聞かせてもらったから、私のことも話さなきゃね。・・そこで、また質問で悪いんだけど・・平さんは、私はどんな人だと思う？」ずばり、スラッとした身長の高い方。

「え？　本当にそう思うの！？うふふ、うれしいな。実はちょっと自信があるんだ。
平さんは私の身長何センチぐらいだと思う？」こいつ・・・見えないからって・・・あ、いえ、こちらのこと。１７０センチはあるでしょう。

「え！？　１７０ｃｍ！？そ、そんな高くないよ！　え、えーっと、私の身長は・・ひゃ、１５０ｃｍぐらいかなぁ・・。」普通じゃないですか、それ。

「そっかぁ・・１５０ｃｍは普通なのかぁ。ちょっとショック・・。あーあ・・身長の話って、あまり面白くないな・・。」いきなり、へこまないでください。

「突然だけど、平さんはどんな人が好き？」そんな恥ずかしいこと、言えません！出会い系サイトじゃありませんよ！

「うふふ、平さんは照れ屋さんなんだね！　そんな恥ずかしがらなくてもいいのに・・。
あのね、私が聞きたいことは、友達にするなら、どんな人がいいのかなぁってこと。平さんはメール友達だから、『好き』とか『嫌い』とかを知っておきたかったんだ・・。それで、聞きたいんだけど、平さんはどんな人が好き？」なんだよ、友達にするなら・・・かよ・・・ちっ。あー子供っぽくてかわいい子です。でへっ。

「そっかぁ、平さんは「子供っぽくてかわいい子」が好きなのかぁ・・。でも、どうして「子供っぽくてかわいい子」が好きなの？」それは、君が・・・じゃなくて・・うーんと、好きな気持ちに理由はないのさ～。

「うふふっ、「好きな気持ちに理由はない」かぁ～。
平さんってキザなとこもあるんだね。でも、平さんにそんなこと言われたら、誰でもドキっとすると思うよ？　だって、私も・・。う、ううん！　何でもない!　ドキッとなんかしてないからね！」いや、した！絶対にドキッとしてた！

「平さん・・私、平さんに言わなきゃいけないことがあるの・・。怒らないで聞いてくれる・・？」怒るというか、知ってるというか・・気にしないで続けてください。

「うん・・。あ、あのね、怒らないで聞いて。私、実は平さんにウソをついてたの・・。
本当は私、ＯＬなんかじゃないの・・。平さんはうそつく人なんて嫌いだよね・・。私・・ほんと・・ほんとごめんなさい！」嘘つきぃーっ！ひどい、騙したのね？

「私、平さんと対等に話がしたかったの。私、本当は中学生なの・・。私が中学生だって知ったら、平さんは相手してくれないんじゃないかって思って・・。だから私、ウソついちゃったの。
ほんとごめん・・。とても楽しくお話できたから、ずっとウソツキのままでいようかと思ったけど、そんなのだめだよね・・。」そのままでも、構わないのに・・ねぇ。

「え？　それって・・ウソツキでも構わないって、どういうこと・・？」そんなこと、気にしないってことさ。

「そ、それじゃぁ・・これからもメール続けてくれるんだね！
うれしいな・・。私のこと対等に見てくれるなんて・・。ありがとう、平さん。これからも・・これからもよろしくね！あ、でももう、私はウソつかないよ。だから、私はＯＬじゃなくて、中学生の愛田　めぐみだからね！」改めて、よろしくお願いします。

「今までウソついてて本当にごめん。
これから、本当の自己紹介をするね！
えっと・・私の名前は愛田めぐみ。北海道上川郡美瑛町に住む中学３年生です！　うんと・・趣味は絵はがき集めと、星を見ること・・かな。何か質問はある？」絵はがきですか～いい趣味をお持ちですね。

「そ！　私は絵はがきが好きなんだ。
あ、もしかして平さん、変な趣味～とか思ったんでしょぉ？　別にどう思ってもらってもいいもん！　好きなものは好きなんだからしょうがないし。平さんも絵はがき集めてみたら？　結構楽しいよ？」私も好きです。結構、仕事柄、買ってますよ。

「本当！？　平さんも絵はがき好きなんだ？じゃあさ、平さんは絵はがき使って手紙とか書いたりする？」書いてます、書いてます、書きまくり！

「そっかぁ、平さんも手紙書くんだね！それなら、平さんと絵はがきで文通とかしてみたいなぁ・・。
あ、でもメールってある意味文通なんだっけ？　それじゃあ、絵はがきとか送る必要はないのかぁ・・。なんかちょっと寂しいね・・。」まぁまぁ、ええやんか。

「そうそう、一番大切なこと言うの忘れてた。
私はね、動物が大好きなんだ！　イヌやネコ、クマだってみ～んな大好き！それにね、私の家は牧場なの。美瑛にある『愛田牧場』っていうとこなんだ。今はお父さんとお母さん・・あとお母さんのお腹の中にいる赤ちゃん、それと私。その４人で牧場を経営してるんだよ。」牛の牧場ですかい？

「当たり！　私の家は牛の牧場なんだ。２４頭の牛がいて、そのうち２０頭が成牛なの。私は毎日搾乳の手伝いをしてるんだよ。」楽しそうですねーいいですねー。

「うん！　牧場の生活は楽しいよ！　仕事は大変だけど、とってもやりがいのある仕事だと思う。それに、大自然とたくさんの動物に囲まれての生活なんて、都会じゃできないものね。
東京から北海道に引っ越して来て、ほんと良かったな・・。
あ、そうだ、平さんは牛乳は好き？」大好き！腹の調子が悪くてもカルシウム不足を解消するために飲んでます。ぐふっ。

「本当！？　平さんは牛乳好きなんだ？
私も牛乳大好きだよ。大好きなんだけど・・嫌いなとこもあるの・・。
それは・・牛乳飲んでも全然背が伸びないこと！私、毎日牛乳飲んでるのに、身長１４３ｃｍなんだよ！　絶対おかしいよね？
せめてあと７センチ・・牛乳の力でなんとかならないかなぁ・・。」１４３・・・そうか。辛いですね。ラジオドラマでも傷つきまくってたもんな。大丈夫、小さくてもオッケーですから。（何が）

「私の家の話をしたけど、東京の話題にちょっと触れたよね？
前のメールでも言ったように、私は東京に住んでたんだ。でも、東京でのお話はあまりしたくない・・。東京は便利なとこだけど、私にはあまりいい思い出がないんだ・・。」東京、嫌いなんですか？

「うーん・・嫌いではないけど、あまり好きじゃないなぁ・・。
あ、でも、こういう風に思うようになったのは、北海道に来てからだよ。それまでは東京での生活が普通だと思ってたもの。私のお父さんも、東京での仕事辞める時は悩んでたみたいだし・・。だけど、今は北海道が大好きなんだ！」東京とそんなに違うんですか？

「うん、北海道と東京じゃ全然違うよ！　例えば・・雪が降るか降らないか。東京でも雪が降ることはあるけど、家の１階の屋根まで雪が積もることなんてないでしょ？　初めて北海道の雪の量を見た時、ビックリしたのを覚えてるなぁ。
あとは・・とにかく広いことかな。私の通う中学校は遠いし、美瑛駅に行くのも車を使わないと一苦労だし・・。
あれ？　なんか悪いとこしか言ってないかも・・。」それって、大変ってことですか？

「うん、北海道の生活って大変。大変だけど、もう慣れたよ。牧場の手伝い、冬場の雪かきだって、今は大好きだもん。それに、この北海道の生活って、生きてるってことを感じさせてくれる・・。暖かい暮らし・・っていうのかな・・。そんな感じがするんだ。」ふうん・・・そうなんだ。

「ねえねえ、平さんはｉ－ＭＯＤＥでゲームとか遊んでる？
ほら、ｉ－ＭＯＤＥって色んなゲームが遊べるでしょ？　結構面白そうなのがいっぱいあるみたいだし、話題にもなってるみたいだよ。でも、最近のゲームってほんとすごいよね？　携帯電話でゲームができちゃうんだもん。私も遊んでみたいなぁ・・。」遊んでますねーたまに。

「いいなぁ、平さんはｉ－ＭＯＤＥのゲーム遊んだことがあるんだぁ。
私も遊んでみたいんだけど、お父さんに「ゲームはするな！」って言われてるの。変な話なんだけど、私のお父さん、北海道に来る前はゲームを作る仕事をしてたんだ。それなのに、私には「ゲームで遊ぶな！」って言うんだよ。なんか変だよね？」おかしいんじゃない、それは・・・？

「そうだよね、ちょっと理不尽だなぁ。でも、私自身どうなのかわかんないんだ。今までゲームで遊べなかったから、不満だったっていうわけでもないし、周りの友達だってゲームやってる子少なかったし・・。
ねえ、平さんはゲームの魅力ってなんだと思う？」１人で熱中できる・・ところかな？

「ふ～ん、ゲームって一人で熱中できるとこが楽しいのかぁ。あ！　もしかしてそれって、小説を読むのと同じ感じなのかなぁ？　だって、小説は一人で熱中して読むものだもん。似てると思わない？
なんかゲームも面白そうだね。ｉ－ＭＯＤＥのゲームでもこっそり遊んじゃおっかな・・。」パケット通信料は半端じゃないから、気を付けた方がいいよ～。

「たいへん！　クロちゃんがいなくなっちゃった～！平さん、どうしよう・・。」知ってるけど、一応。クロちゃんって何ですか？

「あ・・そう言えば平さんにはクロちゃんのこと話してなかったね。
クロちゃんっていうのは、猫の名前なの。私の家で飼ってる猫なんだけど、突然いなくなっちゃって・・。本当にどこ行っちゃったんだろう・・。」どこって・・・そりゃクロちゃんの行きたいところじゃない？

「うーん・・そのうち帰ってくるかな・・そうだといいんだけど・・。ねぇ、平さんって猫飼ったことある？」飼ってみたいなぁ。

「飼ってみたいっていうことは、猫飼ったことないんだよね？じゃあ、猫がいなくなった時の気持ちってわからないかなぁ。猫って、よく勝手にいなくなったりするの。しばらくすると戻ってくるんだけどね。でも、クロちゃんは、いなくなってからだいぶ時間がたつのに、まだ帰ってこないんだ・・。本当にどうしちゃったんだろう・・不安だなぁ・・。」ネコって、ぶらぶら外を遊んでいるものではないの・・・？

「クロちゃんの話してたら思い出しちゃった。
だいぶ前に『トナカイ牧場』行ったこと・・。
『トナカイ牧場』ってとこはね、フィンランドから来たトナカイさん達がいるとこなんだ。トナカイさんなんてめったに見れないから、初めて見た時は感動したなぁ・・。」どういうことですか？クロちゃんと何の関係が・・・

「うん・・。クロちゃんと直接関係あるわけじゃないんだけど、気付いたことがあるんだ・・。
動物って、やっぱり大自然の中で仲間達と暮らすのがいいんじゃないかって・・。だから、ひょっとしたら、クロちゃんは大自然に帰りたくて、どこかに行っちゃったんじゃないかと思ったの・・。」考え過ぎじゃないですか？そんなの。

「そうかな・・考えすぎかな？
・・あのね、私は人間と動物って共存できるものだと思うの。でも、トナカイ牧場に行った時のこと思い出したら、やっぱり動物は動物だけで暮らした方がいいのかな・・って。
平さんは動物と人間は共存できるものだと思う？」うーん・・・どうなんでしょう。わからないなぁ。

「そうだね・・今はまだわからない・・。
でも、人間と動物が共存できる方法ってきっとあると思うし、それを研究してる人だっていっぱいいるもの。
だから・・人間と動物が共存できる日は必ず来ると思うんだ。
そうなれば・・クロちゃんだってきっと帰ってくる・・。」そうだよ、きっと帰ってくるから心配しないで。

「おはよう！　平さん！
聞いて聞いて！　昨夜ね、クロちゃんが帰って来たんだよ！私、クロちゃんのこと真っ先に抱きしめちゃった。
でも、ほんとよかったぁ・・。一時はどうなるかと思ったもの・・。」よかったね！

「うん！　ほんとよかった！
でも、猫ってちゃんと飼い主のとこに戻ってくるんだね。私、クロちゃんが戻ってきた時、すごいうれしくなっちゃった。クロちゃんも、私達家族の一員なんだなって。」クロちゃんもきっと、同じ事を思っているよ！

「うふふ、そうだよね。クロちゃんもきっとそう思ってくれてるよね。
でも、もう二度と家出はして欲しくないなぁ・・。こういうことって、ちゃんとしつけしておいた方がいいのかなぁ・・？」どうだろ？まぁ、クロちゃんにも色々と事情があるんじゃない？

「事情・・？　うーん・・そっかぁ、クロちゃんにも事情があったのかもしれないね・・。あーあ、私にクロちゃんの事情を聞いてあげることができればなぁ。そうすればこんなに心配しなくてすむかもしれないのにね。」ネコの言葉が分かればいいんだけどね。

「おはよう、平さん。
今日はクロちゃんの首輪を買いに行くんだ。今まで使ってたのが、そろそろ汚れてきたし、新しいのに変えてあげないとかわいそうだもん。それに、今回みたいに突然いなくなった時のために、目立ちやすい首輪させておけば、見つけることができるかもしれないもんね。
さて・・どんな首輪を買おっかな。」

「あれ？　返事がないみたいだね・・。まあ、いっか・・。
今日はクロちゃんの首輪を買ってきまーす。かわいいのがあるといいなぁ。」ごめん、ちょっと忙しくて・・。

「平さん、おはよう。首輪買ってきたよ。かわいいのがあって、買ってみたんだけど、クロちゃんは気に入らないみたい・・。結局首輪は前のまま。あ～あ、ちょっと失敗したなぁ・・。
そうそう、首輪買いに行った帰りに『ユナイテッドアローズ』っていうセレクトショップに行ってきたんだ。世界各国から集まった洋服とか、生活雑貨が揃ってるんだよ。久しぶりに行ったから、欲しいものが色々と増えちゃった。」どんなものがほしくなったの？

「うーんとね・・。私が欲しくなったのはお洋服なんだけど、ちょっと大人っぽくて私には着れないかな・・。でも、なんかくやしいなぁ。素敵なお洋服って大人っぽいものばかりなんだもの・・。私のスタイルじゃ、かえって不格好に・・。ううん、こんなこと言ってたら、キリがないや。
いつかあのお洋服が着れるぐらい、背が伸びてることを信じようっと・・。」

「最近ね、お母さんのお腹を触るのが日課なんだ。「今日は動いた？」って聞いたりするの。もう、今から楽しみだなぁ・・。私の「きょうだい」・・。」お母さん、妊娠してるんだ？

「うん、そうだよ。お母さんの赤ちゃん・・私の「きょうだい」・・。
それにしても、不思議な気分だなぁ・・。だって、赤ちゃんが生まれれば、私はお姉さんになるんだもん。私がお姉さんだなんて、想像できないよ・・。」めぐみちゃんなら、いいお姉ちゃんになれるんじゃない？

「本当？　そう思う？
私は・・実はちょっと不安だったりするんだ・・。赤ちゃんが生まれたら、私はお姉さんになる・・。その時、私がちゃんとお姉さんの存在でいられるかどうか不安なんだ・・。
えへへ・・変なこと話しちゃったね。不安な気持ちはあるけど、半分以上は楽しみな気持ちだもの。
私がお姉さん・・いったい、どんな気分なんだろう・・？」そうだね、きっと幸せな気分じゃない？

「幸せな気分か・・。うん！　きっとそうだよね！
どっちにしたって、新しい命が生まれるわけだもの。幸せな気分に違いない！
私がお姉さんになる時・・きっと色んなことが変わってる。でも、それは幸せなことに違いないんだと思う！
だから私は・・早くお姉さんになりたい・・・。」そうかぁ・・・まぁ楽しみだよね。

「私ね、今の生活が大好きなんだ。
北海道の暮らし、牧場の仕事、星の見える夜空、そして家族・・。
みんな、みんな大好きなんだ！
今の生活・・ずっと続いたらいいのにな・・。」そうだね。ずっと続けばいいのにね。

「うん・・。ずっと続いて欲しい。
でも、満足してるわけじゃない・・。もっと色んな国とか行ってみたいし、色んな動物にも会いたい。もっともっと、色んなことを知りたいの。
そう考えてたら、今の生活をずっと続けるわけにはいかないのかもしれない・・って思った。
だから最近、私が東京から北海道に来たときのように、新しいことを見つけなきゃいけないのかなぁって、不安になるんだ・・。」あれ？それなら、外の世界に出ていかなければいけないよね。

「うん・・わかってる・・。
でもね、よくわかんないの。今の生活をずっと続けていくのか・・それとも、自分の夢を見つけるのか・・。どっちも大切なことだと思うし、どっちか一つだけって言われたら、そんなの答えられない・・。私は、どうすればいいのかな・・？」ゆっくり、考えていけばいいんじゃない？

「そうだね！　今はまだ、何もわかんないけど、少しずつ、ゆっくり考えていけばきっと何かがわかるよね！
ごめんね、平さん・・いっつも変な相談ばっかりして。こんなこと相談できるの平さんだけだから、つい頼りたくなっちゃう・・。どうしてかな・・。
えへっ・・よくわかんないや。でも、私の話聞いてくれるだけでもうれしい！　だから・・これからもよろしくね！」こちらこそ、よろしくね～！

「おはよう、平さん。メール交換始めてから、そろそろ１ヶ月たつよね？　なんだかあっという間だったなぁ。そう考えると時間は無駄にできないね。もっともっと有効に使わなきゃ！
そうだ！　私、そろそろ平さんのこと、違う呼び方で呼びたいんだけど・・平さんはどう思う？」いいね、それ。

「ほんと！？　それじゃあなんて呼ぼうかなぁ・・。う～んと・・。・・・。
えへへ、いいのが思い浮かばないや・・。ていうか、平さんは呼ばれて欲しい名前はないの？」ピーかなぁ。

「ピーかぁ、いいね！　それじゃ、今日からピーさんって呼ばせてもらうね！
あ、そうそう、私の呼び方も変えていいよ。今はめぐみさんって呼んでもらってるけど、ピーさんは私のことなんて呼びたい？」え、そ・・そうだなぁ（照

「なになに？　何て呼んでくれるの？
あ、変な名前は嫌だよ！　普通に呼んでくれればいいからね！」じゃあ、「ぐみ」なんてどうかなぁ。

「ぐみかぁ、えへへ・・なんか恥ずかしいけど、うれしいな。
じゃあ、これからはぐみって呼んでね！」オッケーっすよ！

「ねえねえ、ピーさんの好きな食べ物って何？　ほら、北海道っておいしいものがいっぱいあるから、おいしいお店とか紹介してあげようと思って。
どんな食べ物が好きなの？」やっぱ、基本はカツ丼でしょ。

「あ、ピーさんはカツ丼が好きなんだね？
それなら、私いいお店知ってるよ。旭川にある『どん太』っていうとこなんだけど、すっごくおいしいどんぶりのお店なんだ！
とにかく、カツ丼がおいしいの！　カツ丼が好きなら、一度はチェックしておいたほうがいいよ。」マジで食べに行きたいですー。

「本当？　えへへ、うれしいな。ピーさんが私の言ったことに興味を持ってくれて。
旭川はすっごくいい街だよ。『どん太』はもちろん、色んなとこに行ってみてね！」了解であります。今度行くから、是非案内してください。

「う、うん！　もちろん案内してあげる・・。
で、でも・・ちょっと恥ずかしいなぁ・・えへへ。
なんでだろ？　なんかワクワクしてきちゃった。早くその時が来ればいいのにな・・。」そうだね。

「ねえねえ、ピーさんは海外旅行に行ったことってある？
私はまだないんだ。帯広にある『グリュック王国』っていうテーマパークなら行ったことあるんだけど・・。
あ～あ、本物の海外旅行がしたいなぁ。」海外旅行？あるよー。

「へぇ、ピーさんは海外旅行に行ったことがあるのかぁ。
いいなぁ、どこの国に行ったことがあるの？」実は、アメリカにホームステイしてたことがあるんですよ。

「へぇ、ピーさんはアメリカに行ったことがあるんだ。いいなぁ、私も行ってみたい。
ねえ、ピーさんはアメリカで絵はがきとか買ったりした？」結構、買ったと思います。

「そっかぁ、絵はがきは買ったんだね。それはもう誰かに送ったのかな？　もし送ってないんだったら、誰かに送ってあげなきゃ。せっかく買ったんだしね。
でも、一番いいのは絵はがきを買ったアメリカから直接送ることだと思うんだ。だって、アメリカの消印のある絵はがきが送られてきたら、とっても素敵だもの。遠い国から送られてきたんだなぁ・・って。
あ、今は日本にいるんだっけ・・。」ここから送っても消印は東京なんですけど・・・（汗

「最近ね、クロちゃんの様子がおかしいの。元気がないっていうか、妙に落ち着いちゃって・・。いつもは家の中を走り回ってはいたずらしてたのに、最近じゃ、一つの場所でじっとして昼寝ばっかり。でも、ごはんの時間になると、はっと気が付いたように元気になるの。
クロちゃんどうしちゃったのかなぁ？」病気じゃないのかなぁ。病院に連れて行った方がいい。

「うーん・・やっぱり病気なのかな・・。今までこんなことなかったから不安だよ・・。
やっぱり心配だから、獣医さんに見てもらおっと。もし、何かの病気だったら、早く診てもらった方がいいもの。
それじゃあ、ちょっとクロちゃんと病院に行ってくるね。」いってらっしゃいー。

「ピーさん！！　大変だよ！　ビッグニュース！！
なんと、うちのクロちゃんに子供ができたの！　今、妊娠３週間ぐらいだって。クロちゃんったらいつの間に彼氏見つけたんだろ・・。そもそも、その彼氏はどこのネコ？　見当がつかないよぉ。
赤ちゃんネコが生まれるまでわからないのかなぁ・・。」うれしいの？

「うん！　私、すっごくうれしい。だって、クロちゃんの子供が生まれるんだもの。もうクロちゃんのお腹には新しい生命が宿ってる・・。こんなうれしいことってないよ！
だから、今から楽しみなんだ！　もう色んなこと考えちゃう。
子ネコ、きっとかわいいんだろうなぁ・・。」そうだなぁ・・・かわいんだろうなぁ。

「ちょっと前までは子ネコだったクロちゃんも、とうとうお母さんになるのかぁ。
クロちゃんはね、私たちが北海道に引っ越して、牧場の経営が波に乗ってきた頃に飼い始めたの。そんな昔のことではないんだけどね。
クロちゃんを飼うの、最初は反対されたんだよ。だけど、必死にお願いしたの。私が全部面倒見るからって。あの時、あきらめないでほんとによかったな」へぇ、そうだったんだ。

「うん・・あの時あきらめてたら、今がないよね。
あの時・・クロちゃんを飼うってことになった時だけど、お父さんとお母さん両方に反対されたの・・。私、あの時アトピー性皮膚炎だったから、お父さんもお母さんも私のことが心配だったんだと思う。クロちゃんが私を苦しめるんじゃないかって・・。」アトピーだったのか。アトピーって猫の毛とかダメだったんだっけ。

「うん・・アトピーの肌にネコの毛は良くないって、昔主治医だった先生が言ってた・・。
でも、私は体がかゆくても、クロちゃんといっしょにいたかった。あの時はまだ友達も少なかったし、クロちゃんがいれば寂しくないって思ったんだ。
今だって、全然後悔してない。クロちゃんがいれば、アトピーなんか気にならなかったから・・。」じゃあ、もう治ったんだ？

「うん！！　もうすっかり治ったよ。アトピーがひどかったのは東京にいた頃なんだ。
北海道に移って、しばらくすると体のかゆみがウソみたいに消えたの！
気候のせいかもしれないし、水や食べ物のおかげかもしれない。でも・・もしかしたら、クロちゃんが私のアトピーを治してくれたんじゃないかって、そんな風に思うんだ。
だって、体がかゆい時って寂しい時だけだもの。だから、絶対クロちゃんのおかげ！」クロちゃんが大好きなんだね。

「実は先月、家族で旭川に遊びに行ったんだ。
旭川はとてもいいとこだよ。観光スポットもいっぱいあるし、商店街のイルミネーションもとってもキレイ。有名なラーメン屋さんが集まったラーメン村もおすすめだよ。そうそう、日本最北端の動物園もあるのよ。
他にも、紹介したいスポットはいっぱいあるんだけど、全部は紹介しきれないから、私が家族で行った『旭川観光コース』を紹介するね。」デートにもぴったりかな？

「うん、デートコースにいいと思うよ。好きな人と一緒なら、より一層楽しい観光ができると思うなぁ。というわけで、これから紹介するスポットは、ピーさんが旭川で遊ぶ時の参考にしてね。では、旭川観光コース最初のスポットを紹介しまーす。
最初に行ったのは『神居古潭』っていうとこ。石狩川の渓谷で、奇岩怪石がいっぱいある絶景のスポットなんだ。アイヌの人たちにとっては聖地でもあった場所らしいよ。」神秘的な感じがしませんか。

「うん、とても神秘的！　神居古潭はアイヌの伝説も多く残る場所なんだって。今も毎年、アイヌの人たちのお祭りが行われてるんだよ。それに神居古潭ていう名前も神秘的な感じがするよね。
そうそう、旭川から神居古潭までサイクリングロードがあるんだ。石狩川沿いの道で、今は使われてない旧神居古潭駅があったり、見所はいっぱいだから車で行くより自転車の方がお勧めかな。」自転車かぁ。アイヌといえば、僕は小さい頃に学校祭で「コタンの口笛」という劇をやりましたよ。それはともかく、自転車ね。うんうん。

「そうだね、自転車で行った方が得するかもしれないし、何より健康的でいいと思うな。体を動かせた方が楽しいしね。
さ、神居古潭の話はこれでおしまい。次のスポットを紹介するね。次に行ったのは『雪の美術館』ていうとこだよ。国道１２号線沿いに北海道伝統工芸村というのがあって、その中の一つの美術館なの。丘の上に建てられた建物で、まるで外国のお城に来たような気分！　大雪山に降る雪をイメージした建物なんだって。」そんなところが北海道にあるんですかー。

「雪の美術館にはすばらしい展示物があるよ。『氷の回廊』と言って、ガラスを隔てた廊下があるの。そのガラスの向こうはマイナス２０度の世界になってて、幻想的な氷のオブジェが６０メートルぐらい続いてるのよ。もう、すっごくキレイなんだ。あと、シアターもあるし、雪の結晶の写真なんかも展示されてるんだ。ほんと素敵な美術館だよ。」雪の結晶って確かに綺麗だよね。

「そうなんだよね！　雪の結晶って嘘みたいにキレイ！　あんなにキレイな結晶が空から降って来るんだもん・・。雪が降るって北海道じゃ当たり前のことだけど、こんな素敵なものが隠されてるって考えたら、とっても素敵だよね。
さて、そろそろ次のスポットを紹介しないと。次に行ったのは『梅光軒』ていうラーメン屋さん。この観光コースで行くと、そろそろお腹が空いてくる時間だからね、うふふっ。」うふふって、君は薫さんですか。

「『梅光軒』のラーメンは、醤油・味噌・塩ラーメンがベースで、お勧めは、旭川では基本の醤油ラーメンだよ。独特の香りとコクのあるスープ、チャーシューとメンマも大きいんだよ。旭川に来たら、是非食べて欲しいラーメンだなぁ。
でも、梅光軒は人気店だから、並ぶかも・・。並ぶのが嫌じゃなかったら絶対お勧めだよ！」ラーメン、僕は大好きなのよ。って、旭川ラーメンの基本は塩じゃなかったか？少しぐらいなら並んでも大丈夫かな・・。

「そうだね、少しぐらいなら並ぶことも我慢できるよね。でも、大行列とかは嫌だなぁ。並んでる間にお腹ペコペコになっちゃうもん。でも、少し待たされた方がおいしく食事できるから不思議だよね。
さ、おいしいラーメンを食べたら、次は『クラークホースガーデン』に行くよ。そこは馬の牧場で乗馬も体験できるの。馬が好きな人は感激しちゃうかもね。」馬も好きなのかな？ぐみは。

「うん！　私は馬も大好きだよ！　前にお父さんに「牧場で馬も飼おうよ」ってお願いもしたくらいなんだ。もちろんダメって言われたけどね、うふふっ。
ピーさんも、もちろん馬は好きでしょ？」うふふって、それは薫さんの口癖だっていうのに。きっと脚本家がだぶってるんですね。あー？勿論、動物は大好き。馬も大好きです。

「ピーさんも馬が好きなんだね。うふふ、そんな気がしたんだ。
私ね『クラークホースガーデン』で初めて乗馬を体験したんだ。最初は不安だったけど、結構うまくいったよ。手綱を引いて馬が言うことを聞いてくれた時なんか、もう感激！　また行きたいなぁ。
あ、次のスポットを紹介しないと。次に行った場所は『クラフト館』ていう小物屋さん。ここではお土産を買うの。色んなものがあって、目移りしちゃうよ。」どんなものがあるんですか？

「うーんとね、『クラフト館』で売ってるものは全部手作りの商品なんだよ。木やガラス、スチール製の小物なんかが売ってるの。前に行った時なんか、お土産にするつもりもなかったのに、いっぱい買っちゃったんだよ。私、手作りって響きに弱いからなぁ・・。」手作りって何かいいよね。僕も、好きだなぁ。デジタルばっかりだと、飽きるよ。

「あ、やっぱり？　手作りのものっていいよね。編物や料理だってそうだし、手作りって気持ちがこもってるとこがいいんだよね。私も何か作ろうかな・・。でも、不器用だから失敗するかも・・。
ま、手作りの話は置いておいて、旭川観光コースもいよいよ最後のスポットだよ。最後に行ったのは地場産センター内にある『レストランピジョン』。ここでは旭川名物『ジュンドッグ』が食べれるんだよ。」というか、取材、大変だっただろうなー。部屋の中に閉じこもって出来る脚本じゃないよね。北へ。そのものが野外に行かないと出来ないゲームだし。そもそも北海道に実際に行くこと自体がゲームの続きっていうのも珍しいよね。で、ジュンドッグってどういう意味さ。

「ジュンドッグは、簡単に言うと洋風のオニギリ。道産のお米にエビフライやチキン、ソーセージなんかをはさんだものだよ。私、これが大好きなんだ。
ちょっと小腹が空いた時にいいかも。でも、小腹が空いたからって、わざわざ旭川まで行けないか。あ～あ、私の家の近くにもジュンドッグ屋さんがあったらなぁ。
とりあえず旭川観光コースはこれでおしまい。他にもいいとこはいっぱいあるんだけど、日帰りで帰るんだったらこのコースだよ。参考にしてね。」へー、めっちゃおいしそうですねー。北海道のお店って、適当に入ってもおいしいもの出してくれるんだよねー。

「旭川について随分長々と書いちゃったけど、私ばっかしゃべっちゃってごめんね。ピーさんは楽しかった？
ピーさんが私の紹介した街に興味を持ってくれたらうれしいんだけどな。」めっちゃ、楽しかった。旭川は行ったことなかったからなー。今度行くときに是非参考にさせてもらうよ。

「ほんと？　よかったぁ～。えへへ、でもうれしいな。ピーさんが旭川に興味持ってくれたみたいで。
まだまだ、紹介したいとこはいっぱいあるんだ。
あ、そうだ！　今度は富良野を紹介しよっかな。
ピーさんは富良野がどんなとこか知ってる？」あのテレビ北の国からって、奴の舞台でしょう？

「その通り！　『北の国から』は富良野が舞台なんだよね。私、小さい頃にあのドラマを見たけど、まさか自分が富良野の近くに引っ越すとは思ってもいなかったなぁ。
でも、富良野は『北の国から』だけじゃないよ。
富良野と言えば！それはね・・
『ラベンダー！』
富良野の至るところにあるラベンダー畑は、とってもキレイなんだよ。ピーさんはラベンダーは好き？」大好き。ラベンダーは昔から使うね。何かと。

「ラベンダーは好きなんだね。でも残念だけど、今の時期はどこにも咲いてないんだ・・。、だから他の場所を紹介するね。富良野はいいとこいっぱいあるし。
そうだ！　『朝日ヶ丘総合公園』っていうとこを紹介してあげる。そこはね、富良野市民の憩いの場で、観光スポットでもあるの。そこで提案！　明日私が直接行って現地から様子を伝えようと思うの。いいアイデアでしょ？
じゃ明日、現地からレポートしまーす。じゃあね、ばいばい。」ばいばい。富良野、楽しみだなぁ。

「ピーさん、こんにちは！　ただいま『朝日ヶ丘総合公園』にいまーす。さわやかな風がとっても気持ちいいです。ここは、結構人気のデートスポットだから、カップルが多い・・。みんな幸せそうな顔してるなぁ。
いつかピーさんが富良野に来たら、『朝日ヶ丘総合公園』に寄ってみてね！　お勧めのスポットだよ。
それでは『朝日ヶ丘総合公園』から生中継でお届けしました！」ぐみ、何かテレビのレポーターみたいだよ。

「えへへっ、そうでしょ？　実はレポーターを意識して紹介したんだよ。私、もしかしたらレポーターに向いてるのかも。うふふ、なーんてね。でも、これで現地の雰囲気を感じてもらえたかな？　私、ピーさんに少しでも富良野を身近に感じて欲しかったんだ。だって、メールだけじゃここの雰囲気を伝えることはできないもん・・。
もっともっと、ピーさんに色んなこと伝えたいな・・。」いえ、結構ピンピン伝わってきてますよ！というか、ぐみのことも、もっと知りたいなぁ。

「おはよ！
昨日の返事見たよ。ピーさんは私のことが知りたかったんだね。えへへ、なんかうれしいな。これからはもっと自分を伝えられるようにがんばるね！
そうそう、昨日家に帰る前に富良野で食事をしてきたんだよ。『ぶらっすりー海風堂』ていうとこでね、富良野の新鮮な食材を使ってるお店なんだ。アットホームな感じで、気持ちの込もった、あたたかい料理が食べれるとこだよ。」何か、お勧めはあります？

「うーんと、私のおすすめはチキンカレーかな。あ、生ハムピザもおすすめ！
ぶらっすりー海風堂は家庭的な料理が食べれるとこなんだ。富良野の新鮮な野菜をいっぱい使ってるから、栄養も満点！　一押しのお店だよ。
とりあえず、富良野の紹介はここまで。富良野は大自然に囲まれてるし、食べ物もおいしいよ。いつでもいいから、ピーさんも富良野に遊びに来て欲しいな。その時は私が案内してあげるからね！」チキンカレーおいしいよね。何かメール読んだだけで、食欲が湧いてくる。

「ピーさん、ちょっと相談があるんだけど、聞いてくれるかな・・？
まじめな話だよ。私・・本当に悩んでるの・・。」なになに？もちろんだよ。

「うん・・実はね、進路の悩みなの・・。
だいぶ前に学校のＨＲで、進路希望のシートをもらったんだけど、まだ何も書いてないの・・。
私、なんて書こうか迷ってて・・ううん、何て書けばいいのかわからないんだ。
どうしよう・・もうすぐ提出締切なのに・・。」牧場の仕事はどうするの？

「それがね・・牧場の仕事は好きなんだけど、前にお父さんに言われたの。「何言ってるんだ、そんな簡単に将来を決めてはいけない」って。まるで、私が牧場で働かなくてもいいみたいに言ってた・・。
私の進路は、牧場で働くことでいいと思ってたけど、最近考えちゃうんだ。私の本当にやりたいことはなんだろうって・・。」よく考えてみた方がいいよ。

「そうだね、もう一度よく考えてみる。
あ、進路希望シートの提出、もうすぐだったんだ！
大変！　とりあえず、何か書かなきゃ・・。
あーん、何書けばいいんだろう・・。」

「ピーさん、おはよ！
昨日の進路相談、お父さんとお母さんにも相談したんだけど、とりあえず高校進学希望にしておいたよ。
でもね・・なんか納得できないんだ。高校に入る理由がないっていうか、本当に高校に行きたいのかな・・って。
私、本当に高校進学でいいのかな・・。」それでいいんじゃないのかな？

「そっかぁ・・ピーさんは高校進学でいいと思うのかぁ。
それなら聞きたいんだけど、ピーさんは何のために高校に進学した方がいいと思うの？」それが分からないから進学するんだよ、色々、勉強するためにね。

「みんな、それがわからないから進学するの？　・・なんか、ますますわかんなくなっちゃったなぁ・・。
ねえ、ピーさん。率直に聞くけど、ピーさんは、私は高校に進学した方がいいと思う？」絶対にした方がいいと思うよ。

「そっかぁ・・進学した方がいいのかぁ。そうだね、それが一番いい選択なのかも。
ありがと、相談に乗ってくれて。ピーさんは頼りになるから、また相談に乗ってね！　えへへ・・ちょっと甘いかな？　とにかくありがと。またね、ばいばい。」そ、そんな頼りになるだなんて・・・照れますよ。（ニタニタ

「おはよ！　ピーさん！　実は今日から家の増築が始まるんだよ。と言っても、大工さんが来るわけじゃなく、お父さんが増築するんだけどね。これは、お父さんが前々から温めていた計画らしくて、ついに今日、お母さんの許可が下りたんだ。お父さん、子供みたいにはしゃいで、設計図書いてたよ。
どんな風に増築されるか、とっても楽しみ！　私もお手伝いしなきゃ！」なんで増築なんてするの？

「ええと・・。確か将来、うちの牧場で働きたい人が見つかったら、住み込みで働けるようにするって、お父さんが言ってたよ。要するに、愛田牧場でホームステイができるってこと！　ステキな案でしょ？
さ、お手伝いの続きしなきゃ。ピーさん、それじゃあね。」ふーん・・なるほど。本編に微妙に関わってるストーリーらしいぞ。ここで増築したために主人公は愛田家に泊まれたのか。

「ピーさん、大ニュース！昨日、増築の手伝いで、庭の廃材置場から資材を運んでたんだけど、その廃材置場ですごいものを見つけちゃったの！それはなんと・・
『宝の地図！！』
すごいでしょ！　宝の地図って、この世の中に本当にあったんだね！　まるで映画の世界みたい！」なんか、ソレ怪しくないか？

「そう？　そんな怪しいかな・・。
結構信憑性あると思うよ。だって地図にはね、『あいだぼくじょう』の文字が大きな円で囲ってあって、そのちょこっと上に「ココ」って書いてあるの。目印がないからどこなのかわからないけど、多分、この牧場周辺に宝物が隠されてるんだよ！お父さんには悪いけど、増築のお手伝いはしばらくお休み。
『宝探し』をするぞ！」危ないから、やめたほうがいいよ。

「大丈夫、大丈夫！　だって、家の周りだもん。遭難とか絶対にしないから。
さ、そうと決まれば、早速準備しないとね！　・・でも、宝探しって何か道具が必要だよね・・。どんな道具があれば楽かな？」お弁当なんか必要じゃない？腹が空いては何とやらっていうしね。

「遠足じゃないんだから、お弁当はいらないよぉ。家の周りを探すんだから、お腹が空いたら家に戻ればいいしね。
よし！　明日は宝探し！　今日は早く寝ないとね！　それじゃバイバイ、ピーさん。」似たようなものじゃないの、遠足も宝探しも。

「こんにちは、ピーさん！いよいよ、今から宝探しに行くよ！準備もＯＫ！それじゃ、行ってきまーす。」いってらっしゃい。

「あーん・・宝物見つからないよぉ～。宝探し始めてからもう大分たつのに、何の手がかりもなし・・。この宝の地図、ニセモノだったのかな・・。ううん！　そんなはずはない！　きっとどこかにあるよね？　もっとがんばらないと・・。
よし、晩ごはんまでには絶対に見つけるぞ！」がんばれがんばれ、め・ぐ・み！

「おはよう、ピーさん。
宝物発見したよ。でもね・・すっごく恥ずかしいんだけど・・。あの宝の地図って、実は私が小学生の頃に描いたものだったの。宝物を見つけた時に全部思い出したんだ。だから・・発見した宝物は私の宝物。
何を見つけたかわかる？」あれ？なんて答えたかな・・・。

「ぶっぶ～！　ハズレだよ。うふふっ、ちょっと難しかったかな？
私が見つけたのは、なんと『タイムカプセル！』
早速開けてみたんだけど、タイムカプセルの中には、小学生の頃に使ってたエンピツとか消しゴム・・ビーズで作ったブローチなんかが入ってたの。懐かしいなぁ・・。
あとね、とっても意外なものが入ってたんだ。
それはなんと『作文！』私、あの頃はこんなこと書いてたんだなぁ・・。」どんな内容だったの？

「それがね・・作文の内容が、あの頃考えてた夢についてなの。なんて書いてあったと思う？　それはなんと・・
『大工さん！』
うふふっ、笑っちゃうでしょ？　私もびっくりしちゃった！　これじゃ、まるで男の子の作文だよね？」そんなことないよ、女の人だって大工になれるでしょ！

そうだよね、私も女の人の大工さんって何回か見かけたことがあるよ。
でも・・もしかして大工さんの仕事って私に向いてたりして・・。私、ものを作ったりするのって結構好きなんだよ。多分、お父さん譲りだと思うけど。なんか・・私のやりたいことが少しづつ見えてきた！　そんな感じがする・・。

それは・・まだ漠然としてるけど、なんかこう、道が開けたって感じ。
ピーさんは前に、「高校は進学した方がいい」って言ったよね？　気付いたんだけど・・私は受験勉強が嫌だから、逃げてただけなのかもしれない。牧場で働くことを逃げ道にしてたんだ・・。だから私は高校に進学する！　もう逃げないで、私のやりたいことを探すんだ！

うん、高校に進学して色んなことを学びたい。いつか私のやりたいことが見つかったら、牧場に戻って来るんだ。そして、牧場と私のやりたいことを結び付けるの！　そんなことができたらステキだよね？　私はそれを実現させたいんだ。
そうだ！　このことをタイムカプセルにしまっておくね！　今度このタイムカプセルを開ける時は・・きっと夢を手に入れた自分になってるはず・・。そのためにも、早く夢をみつけなきゃ！

おはよう、ピーさん！
今日は久しぶりに、クロちゃんの近況を報告しまーす！
最近ね、クロちゃんのお腹が大きくなってきたの。もうすぐ出産予定日だし、お腹の赤ちゃんもだんだん成長してきたってことだね。
クロちゃんと一緒に遊べないのはちょっと寂しいけど、赤ちゃんが生まれるまでの我慢かな。う～ん、生まれてくる子猫が楽しみだなぁ。

うーんとね、遊ぶと言っても外に出て散歩したりするわけじゃないよ。クロちゃんと遊ぶ時はだいたい家の中。ただ意味もなく、クロちゃんとじゃれ合うだけなんだけど・・。
あ、そうそう、ピーさんは猫を飼ってみたいんだよね？　ピーさんがもし猫を飼い始めたら、どんなことをして遊びたい？

えー、芸を覚えるってなんか犬みたいだよぉ。猫が芸をするのってちょっとイヤだな・・。
猫は芸は得意じゃないけど、クセや仕草はほんとかわいいよ。もう、クセや仕草が芸になってるって感じで。
生まれてくる子猫の仕草も早くみたいなぁ。
あ、そうだ！　ピーさん、クロちゃんの子猫が何匹生まれるか予想してみない？

そうだね、４匹はちょっと多いかもしれないけど、子猫も兄弟がいたほうが絶対幸せだよね。
次の検査で、子猫が何匹産まれるかわかると思うから、それまで楽しみにしててね。

今日はピーさんに、美瑛でおすすめの場所を紹介するね。
美瑛には、私のお気に入りの場所やお店がいっぱいあるのよ。今まで、詳しく美瑛のことを話さなかったのは、どこを紹介しようか迷ってたからなんだ。それだけ美瑛はいい町ってこと。
でも、実はまだ迷ってたりして・・。
う～ん、どこを紹介しよう・・。

私の好きなとこかぁ。うん、そうだね。それじゃ、私のいちばんお気に入りのお店を紹介してあげる。
富良野線の美馬牛駅で降りたとこに、『ポストカードギャラリー　絵葉描館』っていうお店があるんだけど、その名の通り、絵はがきがたくさん置いてあるお店だよ。風景写真から版画や手描きまで、１００種類以上の絵はがきを見ることができるの。
喫茶スペースもあって、最高の絵はがき鑑賞スポット！　ここなら一日中いても飽きないんだ。

うーんと・・数えたことはないけど、たぶん５０枚ぐらいかなぁ？
そんな多くないでしょ？　もっともっと、いっぱい集めたいんだけどなぁ。

そうでもないよぉ。５０枚なんて、１枚ずつ見ながら数えてもあっという間だよ。私はもっともっと絵はがきが欲しいな。できれば、人から送られてきたものでね。そのためにはがんばって高校に入学して、友達を今よりもいっぱい作らないと！

愛田牧場からのお知らせでーす。
ついに、愛田家の増築が終了しました！　これで外来のお客さんが来ても安心！　住み込みのアルバイト、ホームステイなどなど全然ＯＫ！
愛田牧場はお客さまのご来場を心からお待ちしておりまーす。

うん、私だよ。うふふっ、びっくりした？　私、増築が終わって、つい嬉しくてメール送っちゃった。でね、増築された部屋なんだけど、私の部屋より広いんだよ！　もう、私があっちの部屋に移ろうかと思っちゃった。
もちろん、お父さんにダメって言われたけどね。

うーん・・私の部屋はそんなに狭くないけど、あの部屋よりは狭いかな。
ねえねえ、ピーさんは今の自分の部屋に満足してるの？

そっかぁ、今の部屋が不満なのかぁ。私もね、今の部屋に満足してないんだ。何て言うか・・すっごくシンプルな部屋だから面白みがないの。もうちょっと仕掛けみたいなものがあればいいんだけどなぁ。今度お父さんに部屋の改装を頼んでみようかな。まずはお母さんの許可をもらわないといけないけど・・。

おはよう、ピーさん。突然だけど、今日から私も受験勉強に本腰を入れようと思うの。そろそろ本気で取りかからないと間に合わないからね。ていうか、今からじゃ遅いくらいなんだけど・・。
でも、今から気合入れてがんばれば大丈夫だよね！
よーし、がんばるぞ！

うん、がんばるね！
・・とは言ったものの、何から始めたらいいのやら・・。私ってば、いつもこんなパターンだなぁ。
受験ってさ、今までやってたような勉強じゃだめなんだ。今までの総復習にテストの過去問やら、やることはいっぱい！　わかってはいたけど、受験って大変だなぁ・・。

復習かぁ。そういえば、学校の先生にも、復習は大切だって何回も言われてるっけ？　でも、復習することって山ほどあるから、何からやればいいのかわからないんだ。
何かにポイントを絞った方がいいのかなぁ？

う～ん・・やっぱり苦手な教科にポイントを絞ったほうがいいのかぁ。そうだね、学校の先生にもよく言われることだし、その方が受験当日も安心できそう。
えーっと、私の苦手な教科は英語だから、まずはこれからだね。
さ、がんばって勉強しないと！

だあ～めだぁ～！
勉強わかんない！
ぜんぜんわかんない！
どうしよ～！

それがね・・英語の勉強をしてたんだけど、『関係代名詞』っていうのがよくわからないの。今まで習った文法がごちゃ混ぜになっててわけわかんないよ～。
『that』『who』『which』って一体何なのぉ～？

すごぉーい！　『who』は人を示してるって考えてみたら、スラスラ解けちゃった！
ピーさんって英語得意なんだね！　尊敬しちゃう！
じゃあさ、これはどう？　最上級っていう文法らしいんだけど「次の文に当てはまる語句を当てはめよ」だって。
『My　cat　is(　　)of　the　three.』で、和訳は『私の猫は、その３匹の猫の中で一番大きいんだ。』
何を当てはめればいいんだろう？

ピーさん、すごいね！　答え合わせしてみたけど、正解！　完璧だよ。
おかげで助かっちゃった。これでもう忘れないよ。忘れそうになったら、このメールのことを思い出せばいいんだからね！　やっぱりメールってすごいや！　ありがと、ピーさん。またわからなくなったらよろしくね！

おはよっ！　ピーさん。最近私は、受験勉強ばっかりでどこにも行ってないんだ。だから、たまには息抜きをしようと思うの。
そこで今日は、私の勧める息抜きスポットを紹介するね。
まず最初に紹介するのは『サンタプレゼントパーク』っていうとこ。ここは一年中クリスマスを楽しめるテーマパークなんだよ。私の好きなサンタタウンは、幻想的な街並みが表現されていて、とてもステキ！　他にも楽しいスポットが目白押しだよ。

うん、一年中クリスマスだなんて、ステキだよね。
そうそう、この『サンタプレゼントパーク』には『ニコラスタワー』っていうのもあるんだけど、ここもおすすめ！　ここは高さ５０ｍのタワーで、夜はとってもキレイな夜景を見ることができるの。
こんな所でデートできたら、きっと幸せだろうなぁ～。

そろそろ、クロちゃんの出産予定日なんだ。私、猫の出産って初めてなの。だから、子猫が生まれるのはすごく楽しみなんだけど、不安な気持ちもあるんだ。
クロちゃん、無事に出産できるといいんだけど・・。

うん、心配するよりも、私がクロちゃんを元気付けてあげた方が、絶対にいいよね。
クロちゃん、出産が近いせいか、なんか落ち着きがないの。ここは側にいてあげて、クロちゃんを安心させなきゃね。
それじゃピーさん、今日はクロちゃんにつきっきりになるだろうから、これくらいにしておくね。ばいばい。

おはよう、ピーさん！
ついさっきのことなんだけど、とうとう、子猫が生まれたよ！　なんと３匹も生まれたの！　しかもみーんな黒猫！　小さいクロちゃんって感じで、すっごくかわいいの。たぶん、父親も黒猫なんだろうなぁ。
あ、そうだ、子猫に名前をつけなきゃ！　うーんと、３匹もいると考えるのが大変だから、ピーさんも一緒に考えてくれない？　まずは長男から！

クロハかぁ。うん、かわいい名前だね！　それじゃあ、クロちゃんの長男は『クロハ』に決定！
次は、長女のメス猫の名前を決めようね！　この子はほんと、クロちゃんに似てるの。特に目元のあたりがクロちゃんそっくりなんだよ。う～ん、この子の名前はどうしよう？

うん、いい名前だね。女の子ってのを意識してくれたんでしょ？　とってもかわいいよ。それじゃ、長女の名前は『クローネ』に決定！
そして、最後。末っ子のオスの名前を決めようね。この子はいちばん小さいんだけど、これからどんどん育つような、たくましい名前をつけてあげてね。

へぇ、クロノスかぁ、なんかかっこいい名前だね。これならきっと強く育ってくれるだろうなぁ。よし、末っ子の名前は『クロノス』に決定！
子猫の名前を繰り返すよ。クロハとクローネとクロノスでＯＫだね。うふふっ、ありがと。３つも考えてもらっちゃって。それじゃ、これからこの子たちのことよろしくね！

うーん、それはやっぱり耳かな。子猫の耳はね、大人の猫と違って『ぺたん』って倒れてるの。その耳がとっても愛らしいんだ。もうしばらくすると耳がたってくるらしいから、今のうちに見ておかないとね。うふふっ。
さあ、次にクローネの紹介だよ。前も言ったように、この子はお母さんのクロちゃんにそっくり。たぶん、同じメスだからだと思うけど、雰囲気が似てるんだ。大きくなったらきっと美人(?)になるね。

おはよ！　ピーさん。
今日は子猫たちの様子をお伝えしまーす。
まずはクロハの紹介から。クロハは長男らしく一番体が大きいの。大きいと言っても、他の子達と比べてだよ。見かけはとーってもかわいい子猫ちゃん。でも、長男なんだからたくましく育って欲しいな。お兄さんなんだしね。

そうそう、子猫はミルクしか飲まないからね。でも、食欲旺盛なのはいいんだけど、将来そのクセが直らないで、太った猫になったらやだなぁ。まぁ、クロノスの場合、ただクロちゃんに甘えてるだけかもしれないから、今はいっぱいミルク飲んで、元気に成長して欲しいけどね。そして、早く大きくなってもらって、クロちゃんに負担をかけないようにさせなきゃ。

うーん・・そうだなぁ。目元が似てるって前に言ったけど、他にこれと言ったものはないかな。何せみんな黒猫だから、特徴探すのが大変なんだ。
さて、最後は末っ子のクロノスだよ。クロノスはとっても甘えんぼで、他の子よりもクロちゃんにべったりなの。授乳の時も、いつまでもミルクを飲んでるのがこのクロノス。もしかしたら、この子が一番大きくなるかもね。

さ、次のスポットを紹介するよ。
今まで息抜きをテーマにしたスポットを紹介してきたけど、息抜きと言えば何だと思う？　それは喫茶店！　と言うわけで、私のおすすめの喫茶店を紹介するね。
私のおすすめは『珈琲　多い夢（たいむ）』ってとこ。このお店はランチやケーキがおいしいのよ。特に手作りのケーキはおすすめ！　お店の中もゆっくりのんびりできるから、受験勉強の息抜きには最高だよ。

うーん・・そういえば紅茶ってあまり飲まないなぁ。嫌いではないんだけど。でも、紅茶って色々種類があって面白いよね。香りとか千差万別で。そういえば、従姉のお姉さんが紅茶に詳しかったっけ？　今度聞いてみよーっと。
さ、息抜きはこれくらいにして、受験勉強の続きをしないと。それじゃ、またね。

ピーさん、大変なの・・。クロちゃんが大変なの・・！
昨夜辺りから様子がおかしかったんだけど、今朝見たら、ぐったりしてとても辛そうなの。私、ゆっくり寝かせてあげようと思って、子猫と離そうとしたんだけど、クロちゃんはそれをすごく嫌がって・・。クロちゃんは、子猫たちにミルクをあげるために苦しいのを我慢してるの・・。でもこのままじゃ・・このままじゃクロちゃんが・・。

クロちゃんを病院に連れて行って、お医者さんに診てもらったよ。クロちゃん、かぜをひいて脱水症状を起こしたみたい。お医者さんが言うには、クロちゃんは体が小さいのに、３匹も子供を産んだから体に大きな負担がかかったんだって。そんな体で授乳してたから、あんなことに・・。
クロちゃん、まだ具合が悪いの。熱もあるから、子猫にかぜをうつさないように、今は別の部屋で寝かせてるんだ・・。

うん・・。心配してくれてありがとう。今はだいぶ落ちついて、ぐっすり寝てるよ。でもクロちゃん・・時々起き上がって子猫たちを探そうとするの・・。たぶん、近くに自分の子供たちがいるのがわかるんだと思う。それを見てたら私、胸が痛くなっちゃって・・。
でも、クロちゃんが元気になるまで、子猫を近づけちゃいけないの・・。クロちゃんも子猫たちも、みんな寂しそう・・。

こんにちは、ピーさん。
クロちゃん、まだよくならないの。たぶん、かぜが悪化してるんだと思う・・。ごはんも食べないし、水も飲まない。このままじゃ栄養不良になるから、今日は病院に行って点滴を打ってもらったんだ・・。でも、こんなこと続けるわけにはいかないよ・・。それでね、昨夜家族で話し合ったの。クロちゃんと子猫たちをどうするか。でも、あんな話し合いはもうしたくないよ・・。

私たちが話し合ったのは、子猫たちを里子に出さないかってこと・・。里子に出すっていうのは、生まれた子猫を、誰かにもらってもらうことなの・・。
私は、「自分で面倒見る！」って言ったんだけど、お父さんに「これ以上、子猫たちを不安にさせるのかい？」って言われたら、何も言い返せなかった・・。でも・・子猫たちを里子に出したらクロちゃんが・・。いったい、どうすればいいの・・？

クロちゃんの具合が悪くなってから、子猫たちの様子もおかしいの。なんか、怯えてるみたいに・・。それはクロちゃんが側にいないから。でも、子猫たちには近くにクロちゃんがいるのがわかるの！　本能的な感覚・・だから余計寂しいんだよ・・。
それで思ったの・・。側にいるのに会えない・・こんな苦しいことないって・・。
だから・・里子に出すことが一番いい選択なのかもしれない・・。

おはよう、ピーさん。
決めたよ。子猫たちを里子に出すことに・・。
今、お父さんとお母さんが知り合いをあたって、里親さんを探してるの。里親さん・・つまり子猫をもらってくれる人のこと・・。優しい里親さんが見つかるといいな・・。

里親さんが見つかったよ。でね、その里親さんも猫を飼っていて、最近子猫が生まれたんだって。でも、１匹しか生まれなかったから、子猫は是非欲しいって。でも・・３匹全員はさすがに多いから、２匹にしてくれって・・。だから、クロハとクローネだけ引きとってもらうことにしたの。離れ離れはかわいそうだけど、クロノスは別の里親さんを探さないとね・・。

うん・・。ごめん、ピーさん・・。今はどんなメール書けばいいのかわからない・・。ほんとごめんね・・。

ありがと・・。ピーさんって、優しいよね。
私は大丈夫だよ！　クロハとクローネだって、もう一生会えないわけじゃないもん。クロちゃんの具合が良くなったらきっと・・ね。
だから、前向きに考えることにする。私たちが落ち込んでたって、クロちゃんの病気が治るわけじゃないもんね。
今は、私にできることをしないと。

うーんと、それじゃあ今日は『さっぽろテレビ塔』にでも行こうかな。さっぽろテレビ塔には札幌を見渡せる展望台があるの。市街地、藻岩山に円山。都会と自然の両方を見ることができるんだ。札幌に来たら、一度はそこに行かないとね。

おはよ！　ピーさん。昨日は従姉のお姉さんのとこに泊めてもらえたよ。理由とか聞かれたけど、なんとかごまかせた。これでしばらく安心かな・・。今日はね、札幌の街で羽を伸ばそうと思うの。せっかく札幌まで来たんだから、楽しいこと探した方がいいよね・・。

今私はテレビ塔の展望台にいるんだ。いい眺めだよ～。テレビ塔のふもとは、大通公園になってるんだけど、もう観光客でいっぱい。さすが札幌だなぁ。ていうか、そういう私も観光客なんだよね・・。家出だけど・・。
あ、そろそろクロノスにミルクをあげなきゃ！　それじゃあね、ピーさん。

ここまで来たんだから、もう戻れないよ・・。それに今戻ったって、怒られるだけだもん。
実は札幌には、従姉のお姉さんがいるの。とりあえず、お姉さんの家に泊めてもらうことにしたよ。従姉のお姉さんはとっても優しい人なんだ。だから、きっとわかってくれるはず・・。もしだめだったら・・その時は、ピーさんのとこに行こうかな・・。うふふっ・・なぁんてね。それじゃあね、ばいばい。

ピーさん、どうしよう・・。従姉のお姉さんのとこにいられなくなっちゃた・・。お姉さん、私が何で札幌に来たか知らないの。それでうちに電話したみたいで・・。お父さんとお母さんにばれちゃった・・。
もうここにもいられない、早く逃げなきゃ！

おはよう、ピーさん。結局昨日はこのラーメン屋さんに泊めてもらっちゃった。それでね、このラーメン屋さんの女の子と話をしたの。私は全部話したよ。クロちゃんのこと、お父さん、お母さんのこと、クロハとクローネ、そしてここにいるクロノスのこと・・。そしたら「うらやましいな」って言われたんだ・・。

どうして逃げるのって・・そんなの、そんなのもうわからない！　自分がなんでこんなことしてるのか・・わからないよ・・。

前のメール、ごめんね。色んなことで頭がいっぱいになっちゃって・・。ほんとごめん。
私は今、ラーメン横丁にあるラーメン屋さんにいるの。実はさっき、ここの近所を歩いてたら、そのラーメン屋さんの女の子に迷子だと間違われて連れてこられたの。そして、やぶからぼうに『食べなよ』って、ラーメンをご馳走してくれたんだ。とても暖かくて、おいしいラーメンだったな。ちょっと安心した気分・・。でも、安心したら眠くなってきちゃった・・。

家、遠いな・・。歩いても歩いてもずっと遠いまま・・。
ねえ、ピーさん。私は・・私は家出をして、一体何をしようとしたんだろう？
何かをしようとしたはずだったのに・・。わからない・・。
お父さんとお母さん、今ごろどうしてるかな・・。クロちゃん、具合良くなったかな？　早く会いたい・・みんなに会いたいよ・・。

うん、とても大切なことだと思う。私にとって家族は当たり前のような存在だけど、そうじゃない人もいる・・。何て言うのかな・・当たり前の存在が突然なくなったら、どれだけ寂しいだろうって・・。もしかしたら、お父さんやお母さんもそう思ってるんじゃ・・。
クロちゃんも・・みんな・・。
私、戻らなきゃ・・。家に帰らなきゃ！

ピーさん、元気？　私は元気だよ！　それと・・ただいま！えへへ・・ピーさんにおかえりって言われて、すっごくうれしかったよ。どうやら、本当に帰って来れたみたい。夢じゃないんだ。さっきね、お父さんとお母さんと話をしたの。やっぱり怒られた・・。でも、怒られたのが嫌じゃなくて、なんか嬉しかった。何でかな・・まるで怒られたかったような感じ・・。

たぶん・・私はお父さんとお母さんと話がしたかったんだと思う。家を出る前、二人とも全然私の話を聞いてくれなかったから・・。私の話を聞いて欲しい・・でも、どうすれば？　それで家出をしたんだ。怒られれば話ができる。そう思って・・。
でも・・途中で忘れてた・・何かに夢中で・・。あ、そうそう、私を家まで送ってくれた人がいるんだって。その人にも感謝しないとね・・。

私、どうして自分の部屋にいるんだろう？　夢・・？　でもなんだかほっとした気持ち・・。あ、クロちゃんがいる。クロノスも一緒に丸くなっちゃって・・。うふふっ、かわいい・・。クロちゃん、具合良くなったんだね。それにしても・・どうして私はここにいるんだろ？　全然覚えてないや・・。でも、私は今ここにいる・・。私の家、私の帰る場所・・。私、帰って来たんだ・・。

あれから私、何で家出をしたのか、もう一度よく考えてみたの。お父さんとお母さんのこと、子猫たちのこと、色んな理由があったけど・・途中で目的が一つ増えたの。どこか遠くに行けばピーさんに会える気がした・・。とにかく、ピーさんに会いたかったの・・。だから・・。ごめん、こんなこと言われても迷惑だよね・・。

クロちゃんはすっかり良くなったみたいだよ。今はクロノスと一緒に遊んでるの。一時はどうなるかと思ったけど、病気が治ってほんと良かった・・。そう言えばクロちゃんにも心配かけちゃったな。子猫と離れ離れになって、病気と戦いながら・・。きっとクロちゃんが一番辛かったと思う・・。もう、こんな辛い思いは絶対にさせない！　クロちゃんは私たちの家族なんだから・・。

ピーさんは優しいんだね。でも・・そんなこと言われると余計会いたくなっちゃうよ・・。早くピーさんに会って、安心したい・・。でも・・会いたいけど会えない・・。それがとても辛かったの・・。今も辛いよ・・。だって、ピーさんに会いたいもん・・。

うん・・いつか会いたい・・。私は・・私が、家族と暮らすように・・。ピーさんと会えるのが当たり前になるような、そんな時間が欲しい。
だから、いつかその時間を探しに行きたいな・・。私とピーさんが出会う時間・・そしてそれを当たり前のことにしたい・・。きっと・・きっとできるよね！　私たちはずっと一緒だったんだから・・。

私、ピーさんと会える日を、いつまでも待つよ。寂しくなんかない・・離れてるけど、感じるから・・。その日が来たら、一緒に探そう！　私たちの時間・・私たちが初めて作る思い出・・。出会いの場所は、私の大好きな北海道。待ってるよ・・最高の思い出を探そうね！

いや・・ちょっと力つきたね。ｉ-ｍｏｄｅメールをパソコンに転送していたのだが、ちょっと間に合わなくなってしまって最後はコピペのみで・・・その割に、めぐみちゃんの好感度は高かった。